ホンダeに試乗してきた話 前編【ぶった斬り試乗記番外編】

エブリゴーを利用してホンダeに乗ってきた。

ホンダe どこからが名前なのかわからないキュートな電気自動車がホンダから発売されました。

かつて一世を風靡したシティを思わせるレトロなルックスを持ちながら、ホンダが長年培ったスポーツマインドと最新機能で完全武装したこの車はいま世のクルマ好きたちの大きな話題となっています。その多分に漏れずホンダeに乗ってみたくなったわたくし髭熊は、ホンダが運営するカーシェアリングサービス「エブリゴー」で非常に希少な(台数が非常に少ない上に大人気)ホンダeをレンタルし、試乗レビューを決行してきました!

なお今回の記事は長めのため、前後編に分けてお送りします♪

外装:レトロでキュートなだけじゃない!丁寧な仕事でモダンさが光る。


ホンダeといえば何といってもこのルックス!言わずと知れたホンダの名車「シティ」を思わせるキュートなルックスですが、かといってレトロなだけではなく、ひと目見た瞬間に「今までのクルマと違う」雰囲気を感じさせます。

ホンダeの原型となったアーバンイーブイコンセプト (出典元 本田技研工業株式会社公式サイト)


ホンダeの原型は2017年のフランクフルトモーターショーで発表されたUrban EV Concept(アーバンイーブイコンセプト)ですが、そこから市販化に向けアレンジが加えられたとはいえコンセプトカー→市販車のパターンにありがちな残念アレンジではなく、むしろデザイン、質感共に磨きをかけて市販に漕ぎつけたところにホンダの強い意気込みを感じます。
外装を具体的に見ていくと、まずはボディパネルの作りの丁寧さが際立ちます。温かみがありながら非常にモダンな雰囲気を纏っているのは、ボディの面の作り方の巧さから来ているものと思われます。
ホンダeはプレスライン(車体に入る凹凸の線)や尖った角がほとんど無く、ツルンとした面と角の取れたシンプルなカタチが特徴的ですが、このようなデザインはボディを製造する上では非常に手間とコストが掛かるものとなります。
ふつう1枚の鉄板から車のボディをプレスするとき、プレスライン……つまり折り目を付けて、1箇所あたりの面を小さくすれば工作が楽になり、手っ取り早く強度も出ます。折り紙やトタンの波板なんかを想像してもらえば分かりやすいかもしれません。ホンダeはあえてそれをせず、大胆に大きな面を用いてなおかつ平滑さをしっかりと出すことで非常に質感の良いルックスを実現しています。


そして更に注目したいのが窓周り。よく見ると窓と窓枠の段差がほとんどなく平滑。こうして窓と鉄板部分の一体感を強めることにより更にボディの「面」を大きく、ボディ全体をまとめて見せています。
このように窓やライト周りなどの段差を無くす手法はフラッシュサーフェスと言って、現在のカーデザインでは大なり小なり定番となっていますが、ホンダeの徹底ぶりは他を頭2つ分くらい出し抜いている印象です。

1987年デビューのプレリュード 徹底的なフラッシュサーフェスデザインで大ヒットした。
フェラーリより低いというボンネットと豪華装備でついたあだ名は「女子大生キラー」(出典元 本田技研工業株式会社公式サイト)


実はこのフラッシュサーフェス、日本ではホンダがパイオニアだったりします。80年代にホンダは「段差わずか3mmのウィンドウ」としてフラッシュサーフェス化を推し進めました。その結果、ホンダ車=モダンで知的なデザインという評判が確立したのです。

ホンダeの場合、窓周りだけでなくヘッドライトやテールランプ周り、ドアハンドルまでもが段差なく処理されており、まさにホンダのこだわりの集大成といえる仕上がりとなっています!


またこの車、一見3ドアに見えますが実はリアドアも用意されている5ドアハッチバックです。リアドアのハンドルは窓枠と上手く一体化させて目立たないようにされています。
このドアハンドルの処理は初代NSXのものを連想させ、マニアは思わずニヤリとしてしまうポイントかもしれません♪

内装:良い意味でクルマらしくない、居心地のいい「未来」


ドアを開けて真っ先に目に飛び込むのは車内幅いっぱいに広がる液晶モニター!世界初の5連水平配置モニターでかなりインパクトがあります……運転席の目の前はスピードなど各種メーター、真ん中から助手席はマルチインフォメーションモニターとしてナビやオーディオ、空調などを操作する部分になります。シンプルに見えるコックピットですが未来感がハンパない!凹凸や左右の隔たりがないことで、前方視界の広さが際立ちますね。特急ロマンスカーの展望席みたい。(伝わるかな?)

この5連モニターは左右端だけやや角が飛び出ていますが、これがホンダeの特徴であるサイドカメラのモニターとなっています!
ホンダeは国内初のサイドミラーレス専用車種で、サイドミラーの代わりにカメラが付いており、その映像がこのモニターに映される仕組みになっています。
実際自分もミラーレス車に乗るのは初めてでしたが、あえてモニターの角を出して自然と目線が向かうように作られているお陰で、全く違和感なく乗ることが出来ました。ちなみにカメラとモニターは超高精細タイプなので、後ろを走る自転車の人の表情までバッチリ見えます(笑)

ちなみに真ん中のモニターには音声AIエージェント「Hondaパーソナルアシスタント」が常駐しており、喋り掛けることで各種操作や情報の呼び出しなどが出来るようになっています。呼びかけに応じて丸くてシンプルなキャラクターがぷにぷにするのもまた愛らしいです♪

ダッシュボード上にはそれ以外何も見当たらず極めてフラットでシンプル。手前には白木目があしらわれていて、車というよりは部屋の家具に近い印象です。
そしてシートは温かみのあるメランジ調のニット生地が張られており、触り心地のいいソファのような風合い。座ってみると適度なコシがありながらも比較的やわらかくふんわり包むような感覚で、これもまた質のいいソファ感覚でした。この辺は国産車というよりフランス車に近いニュアンスもあります。
そして上を見上げると屋根はガラスルーフとなっており、自然光が適度に入ることで更にリビング感を強めています。

左右を一体に繋ぐ凹凸のないメーターパネル、車内に明かりを取り込むガラスルーフなどの要素を見て、個人的にはホンダが過去に製造していた2ドアクーペのプレリュードを連想しました。この車もまた車内空間のムーディさに定評のあった名車です。外装に続いて内装もまたホンダ車のDNAを色濃く反映しているように思えます♪

後編へつづく→

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